<第10回:『文法を覚えたって英語は話せるようにならない』は本当か?>

仕事柄よく感じることですが、子供も大人も「英語が話せたらいいのに」と、かなり多くの人が思っています。

自宅近くの小さな食事処に行くと常連のおっちゃんたちから「天ちゃん、英語教えてくれよ」とか、「英語話してみて」と、まぁよく言われます。皆さん、少なからずやっぱりどこか英語に対する興味や関心はありますよね。

しかしながら、実際に行動に移して本気で勉強し始めるかと言えば、それもまた、あまりないのです。

おそらく一つには、英語は好きだけど、習得までの先の長い道のりや多くの費用・労力を考えると、現実とのバランスや都合が合わないこと。
あるいは、それ以前に、中高生の時などに「英語って大変だった」という苦い思い出があるので、願望はあくまで願望にすぎないこと。

特に後者の方の場合、お酒も入ると「日本の学校の授業は文法ばかりやってるからダメなんだ」「文法なんて覚えたって英語はいっちょしゃべれん」と言う愚痴によく変わります(笑)

「文法を覚えたら英語を話せるか」
結論を申しますと...そりゃ、無理ですよ(笑)

例えれば、英語の文法は野球で言うところの「ルール」ですので、「野球のルールを覚えたらホームランが打てるか?」と聞かれれば、無理と言うしかないのです。

ただ逆に、(ここが大事なのですが)
ホームランを打つパワーも技術もある、ボールを投げれば160km出せてしまう、エンゼルスの大谷選手が
「でも僕、野球のルール知らないんです。」
と言ったら、

「え、うそでしょ!?」
「なんで覚えてないの!?」
「試合に出れんじゃないかい!!」
「まず先にそれを覚えろー!!!!」
と、当然なりますよね?

英語の文法は野球と同じ「国際ルール」です。
文法ができれば話せるようになるという一足飛びな話はありませんが、英語が話せる人で文法がぜんぜんできないという人もまた、世の中にはいないのです(もちろんネイティブは赤ちゃんの時からそれだけをやってきているので、無意識でできます)。

ということで、ある意味できて当たり前なこの文法。せめて基本だけでも押さえておきたい。でも苦手意識が強い人が多いのも事実。ですので、次回からは英語を簡単にする「日本語と英語の違いすぎる○○」の「文法編」に入りたいと思います。

熊本ザ・グローバル学院
学院長 糸岡天童