どこよりも早い今回の英検:傾向と総評⑤【準2級】(2021年1月24日実施:20年度第3回)

※リスニングは問題自体が分からないため、リーディングとライティングの評価です。

現在、英検の合否判断の換算方法は公開されていませんが、正答率などによって変わる為、全体的な傾向を把握したうえで、本日(25日)に英検HP出る解答速報のご確認も合わせてよろしくお願いいたします。

【詳細分析】

語彙語法は、極めて標準的な難易度でした。 準2級レベルの良く出る語句を中心に構成されており、弊学院の授業ノートや教材をきちんと復習していれば6割~7割確保することは難しくなく、私がいつも言っている「良く出る」という言葉のままに出題されていた印象です。

一方で、会話問題や長文問題も、難易度は「標準レベル」でした。易しすぎず難しすぎず、このようなバランスのとれた出題はここ数年お目にかかっていなかったため、非常に気持のよい出題の仕方だったように思います。きちんと意味を理解しながら読み進めれば解ける問題です。唯一最後の長文にシリアの“refugee(=難民)”という難しめの語が繰り返し使われていましたが、本文中に意味の説明を丁寧に書いてくれているので、ここも大きな問題にはなりません。長文で点数を落としてしまった人は、無意識に英語をながめているだけの傾向が強い、もしくは訳仕方に問題がある可能性が高く、それはすなわち基礎力がまだかなり足りていないことでもありますので、合格のためにはいまいちど基本文法の復習から始めるようにしてください。

最後に、ライティングは「日本の学校の教室は夏にエアコンを使うべきか」というトピックでした。英検には珍しく、シーズン系の話題を違う季節に出してきましたが、学校での話ですので中高生には身近でとっつきやすかったのではないでしょうか?一方で、ライティングは全級に共通して言えることですが、問題の読み込みがまだ足りない人が少なくありません。ここは国語(=日本語力)の問題ですので、きちんと質問されている内容は理解するようにしましょう。つまり、ただ「学校の教室で夏にエアコンを使う」理由ではなく、「日本の学校の教室で」→「日本の」ですよ?「日本は特に蒸し暑いから」「日本の学校は40人教室にいることが多いから」など、きちんと「日本の」教室について答えていたでしょうか?ライティングのトピックを読んで安易に簡単と思うのは極めて危険です。油断せず、質問は、きちんと、理解する。トピックは標準レベルでしたが、そういう意味では、ライティングの鉄則を守っていない人には思いの外厳しい結果が出るかもしれません。

【総評】

全体的に標準レベルの良問、いい問題でした。いつもこれくらいの易しすぎず難しすぎない出題であってほしいと願います。今回1次を合格する人は、バランスの良い力が付いていると考えてよいでしょう。また、今回残念ながら不合格の人は、まだかなり力不足の可能性がありますので、基礎からしっかりとやりなおす必要があります。準2級からは直前に少しやったくらいでは合格はしません。日々の積み重ねの中で強い足腰の強化をする必要があるため、時間がかかるものです。次回の6月まではまだ5カ月ありますので、「急がば回れ」の精神でがんばってください。

熊本ザ・グローバル学院 学院長 糸岡天童