どこよりも早い今回の英検:傾向と総評⑧【2級】(2021年5月30日実施:21年度第1回)

※リスニングは問題自体が分からないため、リーディングとライティングの評価です。

現在、英検の合否判断の換算方法は公開されていませんが、正答率などによって変わる為、全体的な傾向を把握したうえで、明日(31日)に英検HP出る解答速報のご確認も合わせてよろしくお願いいたします。

【詳細分析】

・語彙語法
今回はやや難しめでした。
普段からかなり紙辞書を使って、きちんと語源や、そこから広がった訳にどのようなものがあるか、しっかり読み込んでいる人に有利に作られている問題でした。単語帳だけや電子辞書などで表面的にやっている人には、とても難しく感じたのではないでしょうか。

私は原則、試験問題というのは基本をきちんと修めているかを中心に問うべきであるという考え方で、やみくもに難しくするのは反対派ですが、きちんと時間をかけて学んでいる人に有利になるような変更であれば、このような難易度の上げ方は極めて賛成です。超一流校、ラ・サールも学校の「ルール」で英語学習には紙辞書しか許可していません。この本来の正統派的な努力がきちんと報われるための問題が、今後も続く可能性は十分あるでしょう。何度も言いますがこれから先の傾向として、早く電子辞書をやめなければ、このような難化する問題に対応できず、どんどん取り残されていく、そう私はにらんでいます。

・長文問題
難易度は「標準レベル」
でした。前回までのブログ<直前企画【今回の英検・コレをチェック!!】>で言った通り環境と動物の話(「ロンドンの大気汚染とハト」について)、やはり出ましたね。私が出ると言ったら、出る可能性が高いのです、驚くほどに。常にブログをチェックして、書いてある内容をしっかりチェックした人は、本当にいかに自分が有利になるかもうお分かりでしょう。また、一部「遊牧民」の話や、「エストニア」というあまりなじみのない国の話はあったものの、相変わらず無生物主語構文や非制限用法、keep/stop/prevent A from Bなど、大事な良く出る表現が、当たり前にまた出ていました。もうここまでくるとワンパターンなほどの出題頻度です。まだできない人は、2級を受けるのであればこれくらいは先に押さえておきましょう。

ライティング
「レストランやスーパーマーケットは捨てる食べ物の量を減らそうとするべきと言われているが、この意見に賛成か?」
というトピックでした。少し英検さんもネタに困ってきたのかな?と思わせるような、いつも予想されている問題を少しいじっただけの、ごくありふれた普通の問題でした。もちろんレベルは超普通です。ライティングの問題の傾向を押さえて対策している人には簡単だったでしょう。この手の問題が初見だったという人はかなりライティングに対して勉強不足と言わざるを得ませんので、ぜひ弊学院のライティング特別講座に参加することをお勧めします。

【総評】

全体的に見れば標準レベル~気持ち少し難しいところがあったくらいの難易度でしょう。前回ほどバランスの取れたいい問題、ではありませんでしたが、語彙語法問題がかなり突っ込んだところまで出題していた分、長文やライティングは少し易しめにしておいた、という作成者の意図が見えます。したがって、紙辞書を使い、このブログをきちんと読み勉強し、定番問題を確実に押さえれば、合格する可能性は格段に上がるはずです。今回手も足も出なかった人は、勉強の仕方から見なおしてみてください。2級は直前に少しやったくらいでは合格はしません。日々の積み重ねの中で強い足腰の強化をする必要があるため、時間がかかるものです。次回の10月まではまだ4カ月強ありますので、「急がば回れ」の精神でがんばってください。

熊本ザ・グローバル学院 学院長 糸岡天童