<第3回:実際『英語』を見ないでがんばる日本人たち>

私が英語を教えるようになって最も感じていることが、ほとんど全員「意外と英語を知らない」ということです。単語や文法のことを言っているのではありません。
例えば英語の母国イギリスと言っても元は4つの王国連合であり、厳密には英語はそのうちの一つの国の言語であるし、歴史的にはドイツ語とフランス語から作られてきた言葉であるなど、基本情報から含めて、意外と「英語そのもの」のことはおざなりにされてしまっているという事実です。イギリスがどこにあるのかさえわからない子もいます。

それを知ったら英語がすぐにできるというわけではありませんが、英語の根幹を理解しようとしないで英語がスムーズにできることもないと思っています。

わかりやすい例がこれです。
前置詞では「(時・場所)に・で」を表すときよく“at”や“in”を用います。
“at”は「ピンポイント・一点」を指す
“in”は「時間・空間的な長さ・広がり」がある時

故に
「~に到着する」は一般的に“arrive at Tokyo station”とは言っても“arrive at Tokyo”とは言わず、“arrive in Tokyo”なのです。

ところが
「夕方に」は“in the evening”
「夜に」は“at night”
なぜか、夕方が長い“in”で、夜がとても短い“at”。

疑問が生じても、暗記してがんばっている人は多いでしょう。そうではないのです。「言葉はその国で育った文化」という感覚を少し持てば簡単なのです。

先ほどイギリスの場所を知らない子の話をしましたが、これは決して笑いごとではなく、そもそも多くの日本人がそうです。

イギリスは「北海道の上にもう一つ北海道をはさんだ、その北に南端が位置する国」ですよ?我々が持つイメージ以上に、はるかはるか北国です。(イギリス:南端→北緯約50度、北端→約59度/北海道:南端→約41度、北端→北緯約45度)

ですので、比較的南のロンドンでさえ夏場は日没が21:30頃ですし、北部では22時過ぎまで明るいままです。暗くなって夜らしくなったら、あっという間に寝る時間。だから、イギリスでは“at night”です。(ちなみに、日没までを指す“evening”は故に「晩」という意味も有、「こんばん(晩)は」は“Good evening”。「おやすみ」は“Good night”ですよね!)

熊本市中央区にある英語塾 熊本ザ・グローバル学院

糸岡