<第12回:英語で「たばこを吸う人が減っています」はおかしい!>

「今日、日本ではたばこを吸う人が減っています」
“Smokers decrease in Japan today.”
(“decrease”=「減る・減少する」)

さて、いきなりですがこの文、どこがおかしいかわかるでしょうか?

英検を目前に控え多くのクラスでライティング対策を実施しており、私も添削や解答例の作成に日々追われている最中ですが、上級クラスでもよく見かける間違いの一つです。

「主語と(一般)動詞」
これは中学1年生でも、いま英語をやっていない人でも、知らない人はいないでしょう。

しかし「主語と(一般)動詞」とは?
と言われると、逆に正確に答えられる人はまずいません。
つまりまず現実問題、一番の入り口で基本的なことがぜんぜん伝わっていないのです。

「主語はその動作の主体」
「その動作の主体が主語」

まずはこれをしっかり押さえてください。これだけです。

すると、「日本ではたばこを吸う人が減っています」という英文は「たばこを吸う『人』」が「減る・減少する」動作にかかってしまいます。

わかりづらいですか?
イメージとしては、ぷかぁっとやっている人の体が消えたり小さくなったり、その人自身が減っている、という感覚です(イラスト参照)。

逆に、「減る」という動作に対してその主体となるのは「数」です。
ですので“The number of~”=「~の数」をくっつけて、「喫煙者数が減る」=“The number of smokers decreases”としなければなりません。

例えば「(オリンピックもあるので東京などの)都市は喫煙をやめたほうがいい」と言いたい。そうすると直訳で“Cities should stop smoking.”とやりがちですが、これも英語の「主語と動詞」の基本に合わせてネイティブ風にリアクションすると

「え、都市が喫煙をやめるの??
街はたばこを吸わないよ!
おかしいよー!!」

と、なります。
ですので“People should stop smoking in cities.”「都市で人々はたばこを吸うのをやめるべき」や、「都市」を主語にしたいなら“Cities should make people stop smoking.”「都市は人々にたばこを吸うのをやめさせるべき」と言い換えて、主語と動詞をきちんと成立させなければならないのです。

少し難しく感じることと思います。
そうです、これが「日本語と英語の違いすぎる文法」その1:「語順(特に主語と動詞)」だからです!

逆に、ここに意識を集中させマスターすれば、グンと英語を英語らしく使えるようになりますし、こういうがんばるポイントを正しく押さえることが英語力アップの近道です。

この「主語と動詞」、6/28㈰の英検直前までさらに深く連載しますので、英検受験者はしっかりと極めて合格につなげてください。

熊本ザ・グローバル学院
学院長 糸岡天童