どこよりも早い今回の英検:傾向と総評①【準2級・2級】(2020年6月28日実施:20年度第1回)

※リーディングとライティングの寸評です。

現在、英検の合否判断の換算方法は公開されていませんが、正答率などによって変わる為、全体的な傾向を把握したうえで、近日中に英検HP出る解答速報のご確認も合わせてよろしくお願いいたします。

【準2級】

最初の語彙語法はいつものサービス的な問題がなく、選択肢の単語も今まででは2級で出るレベルのものが1・2問目にきており、面食らった人もいるでしょう。語彙力強化がこれからも最も大事であり、多くの人にとって大きな課題になりそうです。

また、長文は毎回出る構文や表現は今回ももれなく使われており、トピックもとっつきやすい話題でした。使われている語にやはり一部、難易度の高めのものもありましたが、それでも全体的には平均的なレベルだったと思います。

ライティングは、語彙語法が難しかったことのバランスを取るためか、今回は易しめの問題でした。
(お題和訳「人々が毎日朝食を食べるのは大事だと思うか?」)

トータルとしてはリーディングはやや平均が下がる可能性があります。ライティングは逆に少し上がってもおかしくありません。

【2級】

語彙語法・長文ともに平均的なレベルだったと思われます。

その中で、準2級にも共通して言えることですが、やはり語の持っている原義などまで普段から確認している人に有利な問題が語彙語法にはありました。

また、長文には固有名詞や数字を多用している問題もありましたが、情報を落ち着いてきちんと整理すれば正答につなげられる範疇だったでしょう。

一方で、ライティング問題はやや難易度が高い、というよりもトピックの読み違いを引き起こしそうな、これまでどの予想問題集にもないタイプの出題でした。
(お題和訳「世界中の人々は過去の人たちよりも長生きをしている。あなたは、将来、人々はさらに長生きするだろうと思いますか?」)

決して知らない単語ではないはずですが、語のバリエーションや形を丁寧に見ずに、あるいは普段感覚で訳している人にとっては落とし穴になり得るという点においては、私は逆に良問であったと思います。

トータルではリーディングは平均通り、ライティングは上記の理由から内容点0点になってしまうケースが今回は多発しそうですので平均は下がる可能性があります。

【全体】

今のやや難化傾向にある英検は、多くの受検者に対して地力の強さを要求してきている印象です。例えば単語一つとっても、電子辞書で訳だけ簡単に見て終わるのではなく、紙辞書を使ってしっかり語源や例文まで読むなど、一朝一夕ではない、しっかり腰を据えた根気強い学習がますます必要と改めて感じさせられた今回の英検でした。

熊本ザ・グローバル学院
学院長 糸岡天童