<第23回:真ん中にズバッと決まるとかっこいい現在形!でも危険と紙一重?>

20年度第1回英検が二次試験まで終わりましたね。
受検された皆さんは合格発表を見るまではドキドキだと思いますが、
息つく暇もなく、あと1ヶ月ちょっとでまた10月の1次試験がやってきます。

コロナ影響下、英検さんも対応に相当苦慮されているようで
申し込みや締め切りが突如として変わっていたり、
10月の準会場での受検者は、本会場よりも1週間早く実施をするなど、
かなりイレギュラーが多く発生していますので、
皆さん英検の公式HPをこまめにチェックするよう、十分気を付けておいてください。

さて、英検と言えばライティングも合否を左右する大きな要素ですよね。
よく使われている例文でこんなのがあります。

“Do you think it is good that students take their cell phones to school?”
「生徒たちが学校に携帯電話を持っていくことは良いと思いますか?」

それについて理由を書くときに、私がよく目にするのが
NOの理由として
“They cannot study hard.”
「(携帯電話を持っていくと)生徒たちは一所懸命勉強できません
というような答えです。

文法的には決して誤りとまでは言えませんが、
現在形で書いているため「本当に?」という気持ちが沸き起こってしまうことも事実です。

なぜでしょうか?

それこそが現在形を使う上での注意点であり、
気を付けておかないと危険な点でもあるのです。

現在形は
①普段、いつも、日常の、習慣や定期的、繰り返し行う事柄
②一般論、世の中の真理、決まっている事柄
まずはここをしっかり押さえておきましょう。

例えば
①「私は日本人です」「弟が2人います」
「仕事は英語講師で、この仕事が好きです」
「家に帰ったらよくビールを1本だけ飲んでます」
「毎週、ブログを書いています」など
②「日本人は親切な人が多いです」「飲みすぎは体に悪いです」
「8月の次は9月です」など

便宜的に①②としましたが、互換性があるものもあります。
「毎週、ブログを書いています」などは、習慣でもあり、定期的に行っていることでもあり、決めてやっている=決まっていることとも取れます。

ですので、前半の
「(携帯電話を持っていくと)生徒たちは一所懸命勉強できません」
という文章は、読み手からすると<断言されている印象>を受けてしまうのです。
「少し言いすぎかな」あるいは「言い方がきつめだな」と。

そんなときは“seem (to ~)=~の(する)ように思われる”
“can = ~することがある(~する可能性がある)”
などを使って柔らかくしてあげることが、
特に準2級以上では推奨されます。

逆に「携帯電話は学習に有効なツールだ!」など断言したいときは、
ストレートな現在形がズバッと来て効果的ですよ!

熊本ザ・グローバル学院
学院長 糸岡天童