どこよりも早い今回の英検:傾向と総評④【2級(準会場)】(2020年10月3日実施:20年度第2回)

※リスニングは問題自体がため、リーディングとライティングの評価です。

現在、英検の合否判断の換算方法は公開されていませんが、正答率などによって変わる為、全体的な傾向を把握したうえで、近日中に英検HP出る解答速報のご確認も合わせてよろしくお願いいたします。

【詳細分析】

語彙語法は平均~やや難しめなレベルでした。

一部、前半は平均的な問題が続きましたが、後半の句動詞や連語表現ではやや頻度の低いものまで入っていた状況です。一方で、後半の言い回し表現では基本的ではあるものの注意して意味や内容を理解したうえで選ばなければいけない問題もあり、このような気を付ければできるところを取りきれたかが重要なポイントとなりそうです。

一方で長文問題は、「ニューヨークの牡蠣と環境」「アフガニスタンのサフラン栽培」「スマホと衝動買いの関連性」「イスラエルと平和のための格闘技」と本会場同様かなり多岐にわたる問題が出題されていました。これに関してはやはり身近な話だけではなく、地域性に富む話題が多いことからも、英語以外の基礎知識として日頃から世界に関心を向けているかどうか、それによって読み易さはかなり変わるでしょう。ここでも新共通テストが頭にある感は否めません。

加えて、英検2級ではメール問題はビジネス関連というのが定番ですが、本会場と違うのは、こちらではその定番通りの出題であったということです。

最後に、ライティングは「ご年配の方が大学で勉強をすることがより一般的になるだろうと思うか」というトピックでした。問題自体の読み間違えや内容との齟齬を起こすような注意点はない一方、受検対象者として高校生が最も多い2級において、「大学」「ご年配の方」というのはイメージしづらく、理由を考え書くのに困った人も少なくないでしょう。

【総評】

はっきり、本会場より全体的に難しかったです。

そもそも準会場は主に各高校や大手学習塾で別日に行われる試験であり、一般(社会人)の方は本会場で受けられることを考えれば、準会場問題でビジネスメールを出し、本会場でキャンパスライフ関連の内容。また、準会場で大学やご年配の方をターゲットにした出題に対し、本会場で「若者が自分の仕事についてもっと考える時間を過ごすべきか」。これは、私から言わせれば「あべこべ」な出題でありますし、英検協会のおかしさがまた出たと言わざるを得ません。加えて、本会場と準会場のレベルの差が大きすぎます。問題作成者がだれかは分かりませんが、協会はもっと慎重に公平性を確保していただきたい。同じ回でも日によってこれだけ違うのでは、受検者の皆さんがかわいそうです。

ただし、現在の合否はあくまで相対評価ですので、全体の平均点が下がれば、通常のボーダーライン(正答率65%程度)の人はまだ合格可能性が残っています。まだあきらめず、正式な結果を待ってください。

最後に、「英検は難化傾向である」。このことはこの1・2年ずっと言われていることですから、今回不合格だった人も、また次回、これくらいのレベルが平均的と言えるようさらに上のレベルを目指して頑張っていただければと思います。

熊本ザ・グローバル学院
学院長 糸岡天童