英検1次試験が終わり、解答速報も出て
二次試験対策に進む人
3ヶ月後に迫っている次回に向けて準備を進める人
それぞれの立場で頑張っていらっしゃることと思います。
弊学院では準2級・2級の詳細分析と総評を
ブログにアップしておりますので、
ぜひ今後の英検対策の参考に
そちらもご一読ください。
さて、とは言え
毎回英語の勉強の話だけでは国際感覚は養えませんので、今回は「ハロウィン」で起きたある悲しい事件のお話を一つしましょう。
事件が起きたのは1992年アメリカのルイジアナ州。
そこでハロウィンの仮装をした
16歳の日本人留学生が射殺されました。
留学生のため早めに催されたハロウィンパーティー。そのお家に向かっていたその留学生の服部くんと、お友達のウェブくん。
「サタデーナイトフィーバー」のジョントラボルタと、包帯とギブスを巻いた「事故にあったけが人」という仮装だったそうです。
家について、敷地内を進み
呼び鈴を押しましたが、
おかしいことに誰も出てこない。
家にはハロウィンの装飾がしてある。
「もしかしたら間違えたのかも」
そう思い始め戻ろうとしたところ、
2人を不審者と思った家主ロドニーさんが
なんと銃を持って出てきたのです。
ロドニーさんが銃口をむけ
「Freeze!(動くな)」と言うので、
服部くんは誤解を解こうとしたのでしょう。
微笑みながら
「We’re here for the party.
(パーティーにきました)」
と歩を進めた瞬間。
服部くんは左胸を撃たれ
搬送中に死亡しました。
英語好きのお母さんの影響でアメリカに憧れ、
念願かなって留学したそのアメリカで起きた
あまりにも痛ましいこの事件は
当時、日本でも大きく報道されました。
子供ながらにショッキングだったため、
私もよく覚えています。
しかしながら、発砲したロドリーさんは、
のちに民事で有罪になるものの、
最初の刑事裁判では無罪という判決だったのです。
ここでの最大の問題点は、言葉の持つ文化的背景を理解していなかったことです。
「“Freeze”を“Please”と聞き間違えた」と言われていますが、恐らくそんなことないように思います。
英語が好きで留学してた子が、いくらなんでも“Fr”と“Pl”は間違えないでしょう。まして相手は拳銃を持って、3回叫んだそうなので。
英語圏での文化では
“Freeze”は
「動くな」=「動いたら発砲する」という
最も強い最大級の警告です。
文字通り、絶対に一歩でも動いてはいけないのです。
また、日本人の「ほほえみ」「照れ笑い」「笑ってごまかす」は 日本人特有のもので、世界ではそれは場合によっては、悪人がする「薄笑い」「冷笑」のような「奇異さ」「奇妙さ」「恐ろしさ」を与えます。
無断で敷地内に入っていた。
ハロウィン当日でもないのに怪しい格好であった。
まして、見慣れない黄色人種が突然やってきた。
など、複数の要因もあるものの、
最初の2点が主な理由となり
刑事裁判ではその正当防衛が認められたのです。
服部くんを批判するつもりはありませんが、
あまりに日本人的な対応過ぎた。
どこか浮かれていた部分もあったでしょうし、
故に危機感に欠けていたのでしょう。
アメリカにはアメリカの、
世界には世界のルールがある。
両手を上げ一歩も動かず、真顔で
「パーティーにきたんですが、○○さんのお宅ですか?」
間違えていたのが分かったら
「私たちの勘違いでした。行ってもよいですか?」
それでOKが出たら素早くその場を去る。
このような対応ができていたら、
何も命を落とすことはなかったはずです。
英語が好きなのはすばらしいことですが、
英語の意味だけを知っていても
それだけでは自分の身を守りきれないということです。
だからこそ、弊学院ではグローバルコースを設け、
教科書だけでは学べない
リアルな本当の世界の感覚を
早くから子供たちに学んでもらいたいと思っていますし、
将来、それこそが安全に海外を楽しむ 最も大事な基礎となっていくと信じています。
蛇足ながら、
こんなにも大人がコスプレをして楽しむ「平和」な日本では、このような悲惨な事件は起きないと思いますが(笑)
熊本ザ・グローバル学院
学院長 糸岡天童