どこよりも早い今回の英検:傾向と総評【準2級】(2021年10月10日実施:21年度第2回)

※リスニングは問題自体が分からないため、リーディングとライティングの評価です。

現在、英検の合否判断の換算方法は公開されていませんが、正答率などによって変わる為、全体的な傾向を把握したうえで、近日中に英検HP出る解答速報のご確認も合わせてよろしくお願いいたします。

【詳細分析】

全休を通してもっとも難化が進んでいる準2級では、今回も、これまででは2級で主に出題していた問題が語彙語法の特に後半に多く出題されていましたので、全体的にはややむずかしめだったことと思います。

とりわけ連語や決まった表現は、単語帳を暗記するだけでは到底追いつくことができず、体系的に関連表現ごとにまとめてくれている教材を見つけるか、弊学院のような授業スタイルか、もしくは自分で英語の読み物などを膨大な量・物量で補うか、ということになりますが、プロに任せるのがわかりやすく、簡単であるのは言うまでもありません。

一方で会話と長文問題は、全体的には標準レベルでした。2級同様「ウマ」が今回の動物でしたが、しかしながら、ここはやはり一部相当きちんとミクロリーディングができなければ、準2級受検者の年齢層を考えると、さすがにわかりづらい、というより明らかにわからないであろうという悪問もあり、また私も初めて聞いた「アサフェディーア(もしくはヒング)」というインド特融のスパイスの話も、やや読みづらかったことと思います。

最後に、ライティングは「人々にとって図書館から本を借りることと、お店で本を買うことと、どちらのほうが良いと思うか」というトピックでした。“Which~?”で始まる形は極めて珍しく、戸惑った人もいるのではないでしょうか。しっかりと比較表現で書き始め、そして自分の論じる立場のメリットのみを述べれば良かったのですが、自分の論じる立場のデメリットを上げている人がいたのは、マイナスに作用する可能性があるため、やはり正しいライティングの書き方・ルールを最低限教えてもらってから本番は臨むべきでしょう。

【総評】

今回は2級もそうですが、問題作成者が変わった可能性があります。もしくは、もしかしたら毎回変わっているのかもしれませんが、いずれにせよ「今回は問題作成者の質が悪かった」こが特徴です。今までの英検ではあまりない、非常に作成者の独りよがりな問題が散見されましたので、なぜこのような問題を出すのか、そして英検もOKを出して本番で使用をしたのか、私もプロの教育者として公平な目線で見たとき非常に疑問が残る内容がありました。

しかしながら、すべての問題がそうだったわけではなく、全体的に見れば一部にとどまる範囲ですので、合格ラインとしては結果60~65%の平均的なところで収まるでしょう。そういう意味で言うと、やはり近年の準2級のこのレベルが今や標準となりつつあるため、3級との格差は広がり、よりハードルが高くなっていることだけは今後も変わらないと思います。準2級受験生の皆様はそれを念頭に、しっかりと時間と労力をかけた準備を頑張ってください。