<第2回:ルーマニア人は言った『なんで日本人、できないかわからないよ』>
熊本でインターナショナルバーを営んでいた私のルーマニア出身の友人、ロメオは小さく笑って言いました。
「ロメオ、英語は簡単よね?」
「英語は簡単よ。なんで日本人、できないかわからないよ。」
ルーマニア語が母国語の彼にとって、英語は第二言語です。日本語も話しますが、私たちが会話をするときは伝えたい内容の難易度が上がるにつれて英語に変わります。
閑話休題、この彼の台詞には極めて重要な要素が詰まっています。
前項でも述べたように、英語は世界の主要国が使う言語としては一番やさしいのは事実です。言語学的にも広く認められている。にもかかわらず、日本人の英語力は低い。国際語学教育機関による世界最大の成人の英語能力ランキングによると非英語圏の対象100カ国中、日本は53位でやはり「低い」分類に入り、先進国中最下位でした(参考までに近隣の韓国・台湾・中国はそれぞれ37位・38位・39位で「普通」とされ、上述のルーマニアは16位。アジアトップはシンガポールで5位です)。
大事なのは、では「なんで日本人、できないか」なのです。日本人学習者としては、できない理由を「わからない」で片づけるわけにはいきません。
いきませんが、現実は教える側も学ぶ側も、そこに踏み込んで考えてなくないですか?
これがつまり、多くの日本人が「入口」を間違えて入ってしまい結果、がんばっても「出口」が見つからず「難しい」と頭を抱えている原因の一つなのです。
冒頭の会話のあと、
「ロメオ、日本語はね、世界で約7100ある言語の中でたまたま英語と真逆に位置する言語だから、根本的な違いからきちんと理解しないと中々できるようにならないんだよ。ところが、それを伝えたり教えたり、あるいは自ら考えることをしないから、全体的にとても苦戦をしてしまっているんだ。英語自体は簡単なのにね。ルーマニア語は英語と共通点がいっぱいあるだろ?
逆に言えば、英語とは何か、日本語と何が違いすぎるのかさえ具体的にわかっていれば、日本人だってもっと英語はできるようになるんだよ!入口・原理原則を間違えないこと。本当にこれだけなんだけどね。」
と、私は・・・言いませんでした!おしゃれなバーではさすがに野暮ったいですからね(笑)
熊本市中央区にある英語塾 熊本ザ・グローバル学院
糸岡