<第53回:次の級を目指す時にほぼ全員やりがちな『やってはいけない勉強の仕方』①>

例えば英検準2級を受かって
「さぁ、次は2級だ!」
と意気軒昂に2級の対策を始める。

今回は最初に言っておきます。

間違えです。
やめましょう。

「2級を受けるんだから、2級の勉強する何が間違いなのか?」と思う方の方が多いでしょう。実際に99%の人はそのようにコマを進めていることと思います。

しかしながら、とりわけ2級や準1級レベルになると、そうは簡単に合格できません。実際に何度もトライをしている人はたくさんいるはずです。

何回やっても結果が出ないのは、どこか結果を出すまでの過程が誤っているからです。そこを正視して受け入れなければ、いつまでたっても不合格の堂々巡りという、恐ろしいスパイラルにはまってしまいます。

では、次の階段をスムーズに駆け上がるのに必要なこととは?

合格した級の内容を徹底的にやる

これが最も大事なことです。

そもそも論として、良くも悪くも英検の各級の合格目安は昔から65%程度とされてきました。言葉は悪いですが、半分に毛が生えたような低い正答率で合格とさせてきたのです。

はっきり言って、英検の合格ラインは甘い。

加えて、『リーディング:リスニング:ライティング=1:1:1』のシステムになってからというもの、1技能秀でていれば、他の技能ができなくてもカバーできてしまうため、実際にリーディングが50%を切っていても、ライティングが高得点と言うだけで合格してしまう例は少なくありません。

リーディングが半分以下で合格

これはおかしくないでしょうか?その級で必要な語彙を始めとする基礎知識が半分もない人が合格=「その級を修めたと認定」してしまうのは資格試験としてはいささか異常であり、その点に関しては英検さんも、もう少し冷静に合否の在り方を見直すべきだと私は思っています。

同時にまた、現行のシステムに則って正規に合格した人にケチをつけるわけではありませんけれども、自分のその実力の現状を忘れて合格したから次の級、というのはやはり安直過ぎるでしょう。

「急がば回れ」と言いますが、80~90%以上の成績で受かった人以外は、実際のところまだまだその級の本当の実力がついたとは言えない現状を受け入れ、まずはきちんと足腰(=土台)固めをするべきです。

耳の痛いこのような内容は歓迎されないかもしれませんが、真摯に素直に現実を直視するべき必要性を、次回、具体的に論証していきたいと思います。

熊本ザ・グローバル学院
学院長 糸岡天童